壁の理論で圧(力)を導く

壁の理論で圧(力)を導く ソーステクニック・ボディケア

あなたは、マッサージや指圧の施術を
一生懸命やりすぎて

指や肩、腰などに疲労をためてしまったり

痛めたりといった経験は、ありませんか?

「ある!」という方。

伊原塾で推奨する指圧・マッサージ
施術法のひとつに

壁の理論というものがあります。

あなたが経験してしまったその悩みは

壁の理論を上手く使うことで
解決出来るかも、しれません。

では、壁の理論とは一体

何なのでしょうか。

壁の理論とは

マッサージや指圧の施術をする時には

まず、
クライアントの身体に触りますね。

そして

圧(力)を出したり
留めたり、と

変化させて行きます。

壁の理論とは、その時に生じている

圧(力)を受け止めるためのという概念

についての事を言っています。

圧(力)をかけるということは

かけた分だけ
自分に、はね返ってくるという事です。

それは、いわゆる
「作用」と「反作用」の圧(力)です。

指圧やマッサージでは
作用と反作用の圧(力)を

いかに最終接地面まで伝えられるかが、重要になってくるのです。

伊原塾では、作用と反作用の圧力を
マッサージや指圧に使う理論の事を
壁の理論と呼んでいます。

壁の理論を使って、
圧(力)を導くことでまず、

身体が疲れにくくなります。

そして

楽に、かつ
パワーを出しての施術が、可能
になるのです。

壁の理論で圧(力)を導く

前述のとおりですが

壁の理論で圧(力)を導くというのは
作用と反作用の圧(力)を、上手く利用するということです。

壁の理論を上手く使えるようになると
力を導くといった事が、可能になるのです。

これが出来れば

セラピストより
身体の大きなクライアントに対してでも

楽に、施術をすることが出来るのです。

その1:反作用に対する壁

反作用に対する壁というのは
圧(力)をかけた時に生じる

反作用を受け止めるための壁の事を呼んでいます。

この時の最短の壁というのは
重ね拇指や、重ねた掌になります。

マッサージする時の添え手

壁の理論で圧(力)を
上手く導く為に重要なのは

反作用の流れを遮断しない事です。

添え手の意味

指圧やマッサージをするときの
本当の添え手の意味というのをご存じですか?

マッサージする時の添え手の意味

これは
重ね母指や四指、手掌などについてです。

添える側の手は
圧を加えた時の反作用を受け止める

最も近い位置にある壁としての役割になります。

つまり
両手で押すために使うものではないのです。

この、添え手一つで身体が安定するのです。

圧(力)の質が変わるのは、壁としての作用を果たしているからです。

添え手の意味が分かってしまえば、
使うのは小指でも構わない、という事です。

意識して壁が作れる事を目標にするのです。

そうすれば
たとえ浮いていたとしても

安定するようになるのです。

その2:作用に対する壁

作用に対する壁というのは
圧をかけた時に生じる

対象物の動き(移動)を受け止める壁
の事を呼んでいます。

この時、作用に対する壁は
動かないようにきっちりと
母指と四指が対立して、把握出来るようにします。

母指圧を一点集中させるためには
四指が非常に重要になります。

これは
ただ単に四指を添えるというだけでは

その力を発揮する事ができません。

添えるだけであるなら
小指が、疎かになってしまいます。

MP関節、虫様筋、母指、対立筋は働かず

ただの親指押しに、なってしまうのです。

小指の重要性

指圧やマッサージ関係の動画を見ていて

よく、思う事があります。

実は、指圧やマッサージをする時に
意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが

小指が重要なのです。

小指が重要だというシーンは、掴む時です。

なぜだと思いますか。

イメージしてください。

  • ゴルフクラブを握る
  • 野球のバットを振る
  • 竹刀を振る
  • 雑巾を絞る

これらの動きは、いずれも掴んで力を出す。
という動きで

小指が重要なのです。

指圧やマッサージにも、小指を使うことで
遊びが取れますし

手が皮膚に吸いついて
安定感も増すのです。

そしてさらには、テコの原理も働くのです。

マッサージする時の手の形でテコの原理を使っている

こうしたことから
指圧やマッサージの施術をする時は

※小指は、必ず浮かせないようにする
という事を

意識しておいてください。

例えば「狭くて掴めない。」
といった場合には

代わりに薬指を使うということも、ありです。

親指で押すにしても

はじめから親指から向かわない
という事が大事です。

なぜなら

押す意識の優先した状態で
親指から向かってしまうと

どうしても、小指が浮いてしまうからです。

優しく掴んだものを、落とさないように
潰さないようにする。

といったような、意識です。

例えば、背中を押す時も

まるで大きな球体でも持つかのような、意識で
押すのです。

そうすれば、小指は浮いてきません。

そのような意識でマッサージする事で

皮膚にも、
吸い着くような手になります。

そうするためには

小指が重要なのです。

頸部について

C型のマクラ

頸部については
c型のフェイス枕を使うと便利です。

c型のフェイス枕だと、
顔全体に壁が出来て受け止めてもらえます。

これだと、
しっかり把握出来ていなくても、大丈夫です。

練習をするなら
額だけが支点になる額マクラが良いです。

側臥位で背部を施術する際は

受け入れる側が揺れて苦しくないか?
といったポイントが、基準になります。

その3:壁自体を動かす

これまでの説明の中で、伊原塾では

壁の理論を使う事を推奨しています。

その「壁自体を動かす」
というのは、どういう事かというと

作用させた
対象物自体を

近づけたり遠ざけたりといった
動かすことによって

圧を増幅させるといった、施術法になります。

壁の理論は作用と反作用

いかがでしたか?

壁の理論というのは
作用と反作用の圧力を理解し

数種類の壁を感じることによって、上手く
力を導く、ということです。

ちなみに
身体の大きい人や、体重のある人であれば

自らの身体が丈夫な壁になっているため、
大きな力が生み出せるのです。

伊原塾代表:伊原 秀紀
圧の法則~ソーステクニック・ボディケア

ソーステクニックは、体格に関係なく効率的かつ迅速に力を加える方法論です。

5.前関節の法則