施術における陰陽五行に関する私見

施術における陰陽五行に関する私見 塾長コラム

私は鍼灸では
古典派と言われる所に所属していました。

そのため
弟子入りしたのは
同じく、古典派を重視した治療院です。

師匠からよく言われていたのは

徹底して文献を読む事。
陰陽五行の考えに当てはめて考える事。

こういった事は、よく言われていました。

陰陽五行に関する私見

ただ、現在はと言いますと、、

陰陽五行に関して

どちらが陰とか陽とか
木、火、土、金、水がどう・・など

このような使い方はしなくなりました。

陰陽の考え方というのは

立場や、見方によっては
逆になったり、変わってしまったりもするため

現在の私見としては

分別して
交流させる事に、意味がある
、と考えています。

思想として施術に応用するならば
陰陽論は、非常によく出来ていると思います。

陰陽論

陰陽論というのは

発想の転換、柔軟性、可能性、拮抗性を考えるための学問です。

陰と陽では、考え方は真逆となります。

この陰陽論を施術で応用する場合

表(疼痛部位、筋肉)を触って反応が無いなら、裏を触る。

屈筋に対して伸筋はどうか?
拮抗筋は?

右であれば左側の同じ場所を診る。

上部ならば下部を取る。

速い手技が駄目なら、遅くする。

押して(按圧)駄目なら
引いて(剥がす、動かす)みる。

伸張位で取るか
短縮位にするのか?

リラックスさせるのか、リフレッシュさせるのか?

鍛えるのか?緩めるのか?

浅い場所なのか、深い場所なのか?

このように
施術して効果が薄いと思った時には

発想の転換を可能にする
柔軟な考えを、可能に
してくれます。

これは、ただ分別させるだけではなく

それを交流させる事によって、
新しい事・やり方などを生み出す事が出来るのです。

どちらか一方に、偏ってはいけない。

表を緩めるなら、裏は鍛える。
上を触るなら、下も触る。

バランスを取るという事。

筋収縮させる事で、逆に弛緩させる。

癒着が強ければ、先に緩めるのです。

五行説

五行説は
陰陽だけで無理だったものを、補う学問です。

陰陽論と五行説が合わさったのは
必要かつ必然だったのかも知れない、と感じます。

五行のキーワード

  • 属性
  • 関連性
  • 連動性
  • 協調性
  • 多面性

五行とは言いますが

私が思うに
数は4でも、5でも
何でもいいんじゃないかと思います。

こんな事、書いたら専門家に怒られそうですが・・(笑)

陰陽論では真逆の事を考えますが
それで解決しない時には、五行説の考え方が役に立ちます。

疼痛部位の場所(筋肉など)を
触っても良くならない時

陰陽論の考えで、拮抗筋や反対側、上下を触ってみるも変わらないといった場合の事です。

その時、五行説である
属性関連性連動性などの可能性を考える事が出来ます。

筋肉で例えると
疼痛部位の筋肉と、同じ働きをする筋肉は何だと思いますか?

それを補助するのは?

それに連結している筋肉は?

連動して動くのは?

このように

五行説の考えがある事で
施術効果について、考えるべき部位の可能性が増える事になります。

運動連鎖やアナトミートレイン、経筋、操体法などの考えは
陰陽五行の考えに当てはまります。

陰陽論と五行説

施術に使うなら

陰陽論と、五行説を組み合わせ

それをまた
交流させて一体化させるのです。

このようにする事で
新しい手技というのは、幾らでも作れることになるのです。

それはまるで
作曲や、料理のレシピのように。

東洋医学は、陰陽五行を用いる事で
物事を全体的に捉える事が出来

かつ柔軟性が持てる、といった事が特徴であるはずです。

しかし、残念ながら
東洋医学一辺倒の方は

頭が固くなって、固執してしまっている人が多いようです。

たまに、医療とは全く関係のない

あらぬ方向(気功・占いなど)
に行ってしまって、戻って来ない

戻って来れない、なんて人もたくさんいます(笑)

医療は、当たるも八卦的な

占いであっては、いけないと思います。

私が個人的にリスペクトしている施術家の方々は
自然に陰陽五行的な発想を応用されていて、驚かされる事も多々あります。

私が施術に取り入れ、活かしているのは
東洋医学・西洋医学。

その両方ですが

東洋医学で取り入れているのは、その思想なのです。

例えば

マッサージで身体を緩めようとしているのに

クライアントによっては、どんどん緊張して硬くなってしまう人がいます。

それは
神経質な人や、交感神経が緊張気味の人などが当てはまります。

このような人は

普通にマッサージしても
なかなか緩みません。

その場合は
意識を他に分散させるのです。

そうする事によって

クライアントは

意識の集中どころが分からなくなる事から

施術部位だけに意識が行かなくなって、

当該部位が緩むといった施術法が、考えられるようになるのです。

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伊原塾代表:伊原 秀紀
圧の法則~ソーステクニック・ボディケア

ソーステクニックは、体格に関係なく効率的かつ迅速に力を加える方法論です。